エジプトからメソポタミア、ギリシアから中国まで古代文明の全てが、
水には、穢れを祓って命を蘇らせる神聖な働きがあると考え、水を生命の源として崇めた。
実際、世界各地の古代神話・伝説には、水を象徴する精霊たちが数多く登場している。
その一方、自然万有の原理を追及したアリストテレスらギリシアの哲学者たちは、
水を自然の根元的四大要素(土・空気・火・水)として捉え、自然科学の観点からも、水を万物の祖として崇めた。
このような背景に関わらず、水は、意外にも、意匠としては描かれていない。
水の恩恵を受けるエジプトやメソポタミアでさえ、魚や船などは数多く描かれるが、水波そのものは簡略に描かれている。
海に囲まれたギリシアや大河を有する中国文化においても、水は山や木々を写す鏡として描かれ、水波の揺らぎは皆無である。
変化の少ない広大な水面のせいであろうか、中世以前の絵画・工芸において水波を主役とする意匠は登場していない。
その後のヨーロッパの風景画も、植物や雲や太陽光線などは描くが、水は背景に過ぎない。
ところが、山が海に迫る緩急の激しい地形と数多い水脈をもつ日本では、古く平安時代から、
霧から雨に至る変化・流れの緩急のリズムが、美的鑑賞の対象となった。
多くの文芸作品に詠まれると同時に、流水・波濤など多様な波文様の優れた工芸意匠が生まれた。
このような波文様の装飾的な展開は、世界中で日本独自のものである。
この日本の波文様の芸術的な高さは、近世になって、海外に輸出されると同時に世界的に絶賛された。
特にモネなど印象派やミュシャなどアールヌーボーの画家たちは、日本の装飾文様に多大な影響を受け、
著名な絵画の中に多く取り入れている。
水を生命の源として称え、美的に捉え続けた日本の感性は、
まさしく「ジャパニーズ・アイデンティティ」として世界に誇る慧眼である。
日本で育まれて、世界を一斉風靡した日本の波文様。
それは、日本で育ち世界へ巣立つドクター・水素水にふさわしい。
そこで、「ジャパニーズ・アイデンティティ」である日本の波文様の伝統美を、
日本から世界へと発信する現代の
「ジャパニーズ・アイデンティティ」=ドクター・水素水のパッケージ
のデザインコンセプトとして採用しました。